大阪メトロ/中央線延伸・夢洲駅が開業、人の流れを生むにぎわい拠点へ

2025年1月21日 行事 [8面]

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 大阪メトロ中央線の延伸区間(コスモスクエア駅~夢洲駅)が19日に開業した。18日には大阪・関西万博会場の最寄りとなる夢洲駅(大阪市此花区)で開業セレモニーが開かれ、多くの関係者や来賓が新たな歴史の幕開けを祝った。
 冒頭、主催者として横山英幸大阪市長が「当初の目標より2カ月前倒しで開業を迎えることができた」と述べるとともに、「夢洲駅は物流拠点だったエリアを人の流れを生むにぎわいの拠点へと変えていく象徴となる」と期待を寄せた。
 河井英明大阪メトロ社長は「夢洲駅を起点にAIや自動運転技術の導入を進め、安全・安心の輸送を実現する」と強調した。
 来賓のあいさつでは中野洋昌国土交通相が「夢洲駅の開業は人流と物流の両面での円滑化を促進し日本全体の経済発展にも寄与する」と述べた。
 吉村洋文大阪府知事は「夢洲駅は万博のファーストパビリオン。訪れる人々がワクワクし、子どもたちの心に残り未来につながる」と語った。関西経済連合会の松本正義会長も登壇し、地域の新たなシンボルとして発展することを祈念した。
 延伸区間は既設のコスモスクエア駅から夢咲トンネルを経由し、新設した夢洲駅に至る約3・2キロ。大阪港トランスポートシステム(OTS)が第1種鉄道事業者として運営する。夢洲駅は顔認証専用機を含む16レーンの改札や地下空間では世界最大級となる長さ55メートルの大型サイネージを備える。大林組・熊谷組・東急建設・東洋建設JVが施工した。総工事費は約520億円。
 セレモニーでは大型サイネージに「夢洲駅開業までの軌跡」を振り返る映像が流され、橋爪紳也大阪公立大学特別教授が「移世界劇場」と題した駅コンセプトを説明。その後、主催者と来賓によるテープカットが行われた。
 セレモニー後に会見した横山市長と河井社長は万博会場整備も含めた建設業界の協力に触れ、「資材高騰や人手不足という厳しい状況の中で新しいレガシー(遺産)を大阪に残していく大きな役割を果たしてもらった」と感謝した。