兵庫県明石市とJR西日本、JR西日本不動産開発は21日、西明石駅南側エリア(西明石駅南町)の開発着手に当たり、起工式を現地で開いた。市とJR西日本は同駅周辺まちづくりで2019年に連携協定、20年に協定書を締結。商業施設を含む駅ビルや駅前広場、アクセス道路、公共施設、分譲マンションを順次整備する。国会議員や県議会議員など来賓が多数出席。鍬入れを行い、プロジェクトの無事成功を祈願した。
主催者代表の丸谷聡子明石市長は「JR西日本と共に計画を進めてきたまちづくりがいよいよ始動するのだと実感している。新幹線や在来線新快速が停車する利便性の高い西明石駅で周辺エリアの価値がさらに向上すると期待している」とあいさつ。JR西日本近畿統括本部の國弘正治兵庫支社長は「このプロジェクトは当社が手掛ける沿線まちづくりの目玉事業の一つ。市との連携で地域課題を解決し、住民に広域移動ライフスタイルを提供したい」と述べた。
新駅ビルは商業施設などで構成し、規模がS造3階建て延べ2403平方メートル。南改札口を新設し乗降者の動線を改善する。設計をジェイアール西日本コンサルタンツ、施工を大鉄工業が担当。近く着工し、26年度の開業を目指す。
市は駅前広場・ロータリーや駐輪場、南北アクセス動線となる「西明石南線」(延長約440メートル)を整備。南側のJR西日本社宅跡地の一部に図書館を含む地域交流センター「icotto(イコット)」を整備する。施設規模はRC一部S造4階建て延べ3909平方メートルで、基本・実施設計を安井建築設計事務所が担当。2月に設計完了した後、7月に着工し26年度に開館する予定。
イコットの西隣にJR西日本不動産開発と三井不動産レジデンシャル、野村不動産、関電不動産開発の4者がファミリー向け分譲マンションI期を建設する。規模はRC一部S造20階建て延べ約3万5000平方メートル(340戸)。敷地内にイコットと一体利用できるイベント広場を開放するほか、住民間の交流棟(2階建て)を別途整備するなどコミュニティーの醸成促進を図る。設計をジェイアール西日本コンサルタンツとIAO竹田設計、施工を大鉄工業が担当。2月に本体着工し27年6月の竣工を目指す。
I期の完成後はイコットを挟んだ東側敷地でII期の建設を計画。2棟で総戸数800戸以上となる予定。
市とJR西日本は駅東側の未利用地・旧国鉄清算事業団用地(約6900平方メートル)の将来的な利活用も検討していく。