名古屋市/久屋大通・南エリア再整備構想案、4ゾーンに区分し昇降機能導入など

2025年1月22日 工事・計画 [9面]

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 名古屋市は、久屋大通(南エリア)再整備構想案をまとめた。「新たな創造が生まれるウォーカブルタウンのコア」を実現するため、錦通から若宮大通までの延長約800メートル区間を四つのゾーンに分け、地下と地上をつなぐ昇降機能や南北を回遊できる動線、新たな交流を生み出す集客施設などの整備を盛り込んだ。地上部は歩きやすい歩行者空間を確保する。今後は市民意見を踏まえ3月までに構想を策定するとともに、民間企業との対話調査や事業化に向けた技術的検討などを進める。
 市の中心部である栄地区を南北に貫く久屋大通公園の再整備について、市はPark-PFIを導入し北エリアとテレビ塔エリアの整備を先行。2020年9月にオープンした「Hisaya-odori Park(ヒサヤオオドオリパーク)」は、多くの市民や観光客が訪れる公園として再生し、栄地区の活性化と魅力向上に寄与してる。
 これに続く計画が南エリアの再生。南エリアは大規模イベントや市民活動などに利用されているが、平日や夜間は閑散としている。地下と地上を結ぶ昇降施設も不足し、各広場は東西方向の道路で分断され南北に連なる公園としての一体感が弱い。
 再整備構想案では、南エリアをA~Dの4ゾーンに分け特性に応じて再整備する。最も北側のゾーンAは水景施設を生かした親水空間とし、SRT(スマート・ロードウエー・トランジット)の乗降・待合空間として整備する。ゾーンBは南エリアの起点となるメインゲート空間に位置付け、地下街と地上を結ぶ昇降機能を導入し、人の流れを地上に誘導する。
 ゾーンCは大規模なイベント空間として活用する。周辺にはオープンカフェなどの休憩スペースを設け広場の日常利用を促す。最も南側のゾーンDは、新たな来訪者を呼び込む魅力的な集客施設を整備するほか、矢場町駅とのアクセス性を見直し、周辺のまちとのつながりの起点を形成する。
 栄地区と大須地区の人の流れを結び付けるため、若宮大通公園の再生や堀留水処理センターの上部空間活用、新堀川の水辺空間としての活用なども検討する。
 市は現在、久屋大通(南エリア)再整備に関する民間活力導入可能性調査を委託するため、公募型プロポーザルの手続きを進めている。調査の中で民間企業との対話調査なども実施する考えだ。