札幌市は27日、大倉山ジャンプ競技場などの改修に関する考え方を公表した。ラージヒルの大倉山、ノーマルヒルの宮の森両ジャンプ競技場を最新の国際競技規則に適合した競技場に再整備するため、大倉山での両ジャンプ台の併設化を目指す。ラージヒルの改修工事を先行し、2025年度に基本・実施設計に着手する方針だ。
中央区宮の森にある大倉山、宮の森両ジャンプ競技場は、これまでさまざまな国際大会が開催されるとともに、国が指定するナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点として選手の強化や育成の拠点にもなっている。またオリンピックミュージアムが併設されるなど市内有数の観光施設にもなっている。しかし両ジャンプ競技場ともジャンプ台の形状が現行の国際競技規則に適合しておらず、今後、継続して国際大会を誘致できない可能性があるため、大規模な改修が必要となっていた。
改修に向けては、運営本部棟の共用による改修費や維持管理費の低減、選手・関係者の移動など大会運営や選手強化の効率化などの効果が認められることから、両ジャンプ競技場を一体的に整備する方針を決定。大倉山ジャンプ競技場のラージヒルジャンプ台の北側へのノーマルヒル併設を目指す。
整備に当たっては、ラージヒルの改修を先行して実施する。国際競技規則適合に向けた傾斜や曲線の緩和などの改修工事に40億円、ゴンドラなどの昇降設備のバリアフリー化を含めた老朽化した競技設備の更新に20億円を見込み、25年度に設計着手。26年度に実施設計を完了し、27年度に着工、28年度内に完成するスケジュールを想定する。
ノーマルヒル整備には、概算工事費に70億円を試算。環境保全対策を講じてから工事に着手する方針で、25年度から環境アセスメントに準じた調査を進める。26年度に設計、環境対策に着手する見込みだが、環境対策の検討状況に応じてスケジュールを見直す。