神奈川県藤沢市の「藤沢市健康と文化の森地区土地区画整理組合」(青木浩一理事長)は、移転対象の家屋調査や換地設計に向けた調査に着手した。2026年度に都市計画変更の告示を受け、27年度にも着工する見通しだ。事業施行期間は34年3月31日まで。業務代行者はフジタ、総事業費は約272億円を見込んでいる。
対象エリアは市の北西部に位置する遠藤。地区面積は約36ヘクタール。地権者数は約300人(地方自治体など含む)。同地区は、相模鉄道いずみ野線の延伸計画で湘南台駅から先に設置を想定している2駅(A、B駅)の終点となるB駅の周辺。慶応大学湘南藤沢キャンパス(SFC)に隣接し一部住宅が点在するほか、大部分は農地として利用されている。土地利用計画では産業系、農業系、商業系、中高層住宅、低層住宅の五つのゾーンを想定している。
藤沢市は同地区にキャンパスを構える慶大SFCの持つ情報・環境・医療分野などの学術・研究機能を核に、産学公連携でビジネス育成や国際交流拠点エリアの創出を目指している。市は組合と連携し、同地区を含むエリアを対象とした「まちづくりガイドライン」と「産学公連携実行プラン」の検討を進めており、25年度末の策定を予定している。
藤沢市では今月、JR東海道線の「村岡新駅(仮称)」建設工事がスタートした。新駅北側の村岡地区(約8・6ヘクタール)に医療分野などの研究開発機関を誘致する計画。健康と文化の森地区との類似点もあることから、地区間の連携なども視野に入れる考えだ。