JWPA/次期エネルギー基本計画で提言、入札後の物価変動へ仕組み整備を要望

2025年1月31日 行政・団体 [1面]

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 日本風力発電協会(JWPA、秋吉優代表理事)は30日、政府の次期エネルギー基本計画(第7次)の原案に対する提言をまとめた。事業者が入札後の物価高騰に対応するため、入札の上限価格を見直す仕組みを求めた。政府が非化石証書の長期的な調達目標を示し、需要家が脱炭素電源を安心して先行導入できる環境づくりも求めた。
 風力発電の導入を計画的に進めるため、中長期的な導入目標を明確に示した。運転開始ベースで2040年に陸上で35ギガワット、洋上で最大45ギガワットを達成。50年には陸上で40ギガワット、洋上で100ギガワットの導入を目指す。目標から年間導入量を逆算し、浮体式の生産体制といったサプライチェーン(供給網)を官民で検討していく必要性を指摘した。
 導入量の拡大に必要な施策も提言した。現行の再生可能エネルギー特別措置法は、事業認定の取得後に1キロワット時当たりの調達価格を変更できない。入札時から運転開始までの急激な物価変動に対応できるよう、スライド条項のような入札上限価格を見直す仕組みの整備を求めた。
 地方自治体が促進区域を定め、環境影響評価の一部を省略する「ポジティブゾーニング」をはじめ、再エネの導入を後押しする制度の充実を求めた。風力発電に適した保安林や農地などを活用するため、事業者へのヒアリングを踏まえて再エネ促進区域を設定するよう要請した。
 洋上風力の本格的な導入に向け、排他的経済水域(EEZ)での設置を可能にする関連法の早期成立を求めた。早期に基地港湾の全国配置や整備を求めた。同協会政策部会長の小杉晃氏は「サプライチェーンをどのように形成していくかを官民で議論し、目標とビジョンを共有しながら取り組むことが必要だ」と話す。