国土交通省は29日、都道府県、政令市、市町村の下水道担当者に対し、下水道管路施設の緊急点検を行い、2月7日までに結果を提出するよう要請した。流域下水道管理者が管理している晴天時1日最大処理量30万立方メートル以上の大規模下水処理場に接続する口径2000ミリメートル以上の管路が対象。腐食などがないか目視などで点検し、異常を把握した場合は道路管理者と連携し補修などの措置を検討することも求めた。
28日に埼玉県八潮市の県道交差点で発生した道路陥没の事故を受けた措置。国交省は日本下水道協会の下水道維持管理指針実務編に基づいた緊急点検を要請した。
全国の下水道管理者には、2015年の下水道法改正で創設した維持修理基準を踏まえ適切な時期に点検し、補修をはじめ適切な施設管理を徹底することで下水道の破損からの道路陥没を未然に防止することも通知した。
事故は、道路の下約10メートルに埋設されている管径4・75メートルの流域下水道幹線の腐食による破損が原因と考えられている。1983年に整備された。土砂の崩落が続き、穴が拡大。転落したトラックの運転士の救助が30日も難航した。29日からはドローンや地中レーダーで陥没状況を確認している。復旧作業の検討も行われている。
国交省などは下水の量を減らすため、河川への緊急放流に踏み切った。県は周辺12市町の住民約120万人に風呂などの排水を含め、下水道の使用を控えるよう依頼している。