海外建設協会(海建協、佐々木正人会長)は1月30日、海建協と日本建設業連合会(日建連)の会員企業が海外で携わった優れた建設プロジェクトを顕彰する第3回「OCAJIプロジェクト賞」の表彰式を東京都港区の東京プリンスホテルで開いた。11社が応募した18件の中から7件を選定。佐々木会長が受賞した会員企業の関係者に表彰状と記念品を手渡した。
冒頭あいさつした佐々木会長は「どの受賞プロジェクトも、さまざまな課題に対して各社の創意工夫で顧客ニーズに沿った効果的な方策が講じられていた。各社がコロナ禍や不安定な政治情勢など厳しい条件の中、卓越した技術と強い責任感のもとにプロジェクトを完遂したことで、日本の建設業の国際的な評価は一段と高まっただろう」と述べ、受賞した企業の関係者をたたえた。
表彰選考委員長を務めた規矩大義関東学院理事長は「コロナ禍や政変・クーデターといった非常に難しい条件の中、要求された品質や工期を達成するためにあらゆる知識や経験を駆使し、各社の技術力と創意工夫によってプロジェクトを滞りなく安全に完成させた点が高く評価された。BIMやCIMなどのICTも現場で活用され、高精度で効率的な施工管理が実現されていたことも注目すべき点だ」と講評した。
受賞者を代表し、「オフショアマリンセンター2」(シンガポール)で受賞した五洋建設の藤本浩香港営業所専門部長は「施工管理にDX技術を活用し、施工順序とBIMモデルを瞬時にリンクさせた。これにより杭の打設順序などを仮想空間で最適化し、品質や生産性の向上を実現した」と施工の工夫を説明。今後は「この受賞を契機に海外における日本の建設業のプレゼンスを高めるべく、新たなプロジェクトの成功に向けて前進する」と意気込みを語った。