東北最大規模の交差点といわれる「箱堤交差点」の立体化工事が完了し、8日早朝から高架橋の通行が可能になる。事業を所管する東北地方整備局仙台河川国道事務所は交通切り替えに先立ち1月31日、完成した高架橋を報道陣に公開。同事務所の鳴海芳紀副所長は「交差点を先頭にした渋滞や追突事故が発生していた。立体化で渋滞緩和や事故の減少、物流の効率化が期待できる」と整備効果を説明した。
東北整備局は、仙台市内を通過する国道4号の渋滞解消などを目的に1989年度、若林区卸町~宮城野区鶴ケ谷区間(延長6・0キロ)の改良工事「仙台拡幅」に着手した。国道と市道で計20車線が交差する箱堤交差点の立体化事業(1・4キロ)に着手したのは2019年度。苦竹ICから箱堤交差点を越え卸町交差点までの区間で片側2車線の立体部を構築し、箱堤交差点は片側が地上(側道)6車線と高架2車線、両側で計16車線になる。
仙台拡幅の全体事業費は363億円、このうち箱堤交差点立体化は120億円を投じたという。立体化事業で同事務所が発注した工事は19~24年度で計20件。高架橋の上部工は高田機工、下部工は後藤工業(仙台市宮城野区)と橋本店(同青葉区)が担当した。床版を新井組、舗装を日建工業(同青葉区)と後藤工業が担うなど計8社が工事に関わった。
東北整備局は交差点の立体化によってボトルネックの解消、渋滞に起因する追突事故の低減、通行速度の向上といった整備効果が期待できるとしている。8日午前5時を予定する交通切り替えで箱堤、卸町両交差点は右左折できる車線などが変更になる。同事務所は引き続き側道などの工事を進め、仙台拡幅の早期完了を目指す方針だ。