清水建設のトップが交代する。4月1日付で社長に就任する新村達也代表取締役副社長兼副社長執行役員建築総本部長が1月31日に東京都中央区の本社で会見し、「井上和幸社長が築き上げてきた経営基盤をさらに強化し、持続的成長を揺るぎないものにする」と抱負を語った。「その上で建設事業の品質やコスト、工程に徹底してこだわっていく」と力を込めた。=3面に会見要旨
同社の社長交代は2016年4月1日以来9年ぶり。同席した井上社長は「24年度にスタートした3カ年中期経営計画の歩みを着実に進め、十分な成果が出るめどが付いた」と経緯を説明。新村氏を「バランス感覚にたけ社内外からの人望が厚い」と評価した。
新村氏は当面の課題として「前期業績を踏まえ当社の原点である建設事業の立て直しが急務だ。まずは現場を大切にしたい」と訴えた。受注時の採算管理を徹底していくことで「中期経営計画の業績目標を達成できる」との見方を示した。
創業220年超の歴史で培ってきた技術にこだわる原点回帰と、井上社長が提唱する「超建設」の考え方を融合する姿勢も打ち出す。「目まぐるしい技術の進歩や顧客の考え方の変化などを適宜的確に把握し、期待される以上の価値を提供していきたい」と話した。
新人時代にクウェートで火力発電所建設の現場管理を担当して以降、さまざまな立場で多種多様な業務を経験。「いろいろな人の気持ちや当事者意識が分かっている。一番の武器はコミュニケーション力」という自身の強みを生かし、「グループ全員の力を結集し持続的成長と企業価値の向上を目指す」と述べた。