TOTOは1月31日、田村信也取締役兼専務執行役員が4月1日付で社長に昇格する人事を発表した。豊富な海外経験を生かし、世界の市場環境の変化に適応する。社長交代は2020年以来5年ぶり。清田徳明社長は同日付で代表取締役会長兼取締役会議長に就く。
1月31日に北九州市の本社で、田村、清田両氏が記者会見した。田村氏は「顧客が求めるものを根本的に考え、一つ一つをスピード感を持って実現していきたい」と抱負を語った。
ベトナムや米国の現地法人の社長を歴任し、海外部門で豊富な経験を持つ。清田氏は「文化や風習が異なる海外のメンバーを一つに束ね、大いに前進させてきたコミュニケーション力とリーダーシップは卓越したものがある」と太鼓判を押した。
田村氏は海外展開について、新築を中心に事業基盤を固めつつ、リフォームなどの成長分野を同時に伸ばしていく考えを示した。市場が成長する台湾やベトナムをはじめ、各国のニーズを見極めながら「適切な指向性を打ち出していきたい」と述べた。
関税引き上げの動きがある米国については、競合他社も条件は同様と指摘。需要が伸びるウォシュレットの展開を強化し「お客さまの心をつかんでいきたい」と話した。中国事業は「楽観できない状況」とした上で、4月末をめどに次の一手を明らかにする方針を示した。
田村 信也氏(たむら・しんや)1991年九州大学大学院総合理工学研究科修士課程修了、TOTO入社。2016年執行役員、19年取締役兼常務執行役員を経て、24年4月から現職。福岡県出身、57歳。