国土交通省は建築プロジェクトへのBIM導入とライフ・サイクル・アセスメント(LCA)実施を一体的に支援する「建築GX・DX推進事業」に関する補助金の交付申請を今月上旬から受け付ける予定だ。申請前にプロジェクトを主導する設計事務所やゼネコンなどの元請事業者が「代表事業者」として登録する必要がある。「BIM活用型」と「LCA実施型」にメニューを分け、それぞれ単独での実施と、組み合わせての実施の3パターンを補助対象とする。
2024年度補正予算で関係経費5億円を充てて創設した同事業の着手準備が整った。25年度当初予算案でも65億円を計上。これまで単年度で実施していた前身の「建築BIM加速化事業」とは異なり、27年度までの3カ年の想定で継続的に事業展開する方針だ。
BIM活用の場合は、設計調査費や建設工事費でのかかり増し費用の2分の1を補助する。前身事業から補助対象経費を拡充し、従来のソフト利用費やコーディネーター委託費に加え、導入初期や高度活用時のBIMモデル作成に必要な「BIMモデラー」の人件費にも新たに充当可能。建築プロジェクトの補助要件を緩和し、公共的通路などの整備は求めない。
新たな要件として下請を含めた全事業者による「BIM活用事業者登録制度」への登録と、補助事業完了後3年間のBIM活用状況の報告を求める。補助を受けた後もBIM活用を定着させるのが狙い。専用サイト上でBIMの活用方針や工程計画を入力してもらう。前身事業ではBIM活用の「宣言」だけで足りていたが、より踏み込んだ対応が必要になる。
LCA算定を実施する場合の補助対象経費や補助要件は詳細を検討中。月内にも決定する。