4月1日付でコマツの社長兼最高経営責任者(CEO)に就任する今吉琢也取締役兼専務執行役員と、小川啓之社長兼CEOは1月31日、東京都千代田区の帝国ホテルで記者会見した。今吉氏が就任後の経営方針などを説明した。「(建設機械の)自動化や遠隔化の技術開発はより速いスピードで進む。コマツが他社に先駆けてきた技術革新に引き続き注力する」と強調。国内市場は労働力不足がますます重要な課題になるとした上で「ICT建機を普及させ社会課題の解決につなげていく」と述べた。
同社はインフラ整備が先行して進んでいる日本や米国、欧州を「伝統市場」、成長途上にある中国や東南アジアなどを「戦略市場」と位置付けている。今吉氏は1998~2004年にコマツアメリカで勤務し、21年からは中国総代表として中国事業をリード。約12年間の海外駐在を通じて、両市場での豊富な経験と知見を持つ。中期経営計画(19~21年度)の策定にも経営管理部長として関わった。
小川氏は「経営には一貫性と継続性が必要」とした上で、今吉氏が伝統市場と戦略市場の両方を経験していることなどを社長昇格の理由に挙げた。「クレバーで沈着冷静、大局的にものを見る力に優れている。私とは違った視点でコマツをさらに成長、発展させてくれることを期待している」と述べた。