東京都/環状6号線全線で工事が完了、幅員広げ中央分離帯設置

2025年2月12日 工事・計画 [4面]

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 東京都品川区から板橋区までを結ぶ環状6号線で、車道や歩道の整備、幅員拡大などを含めた全ての工事が2024年12月に完了した。都内で「環状線」と呼ばれる8本の道路のうち、全線で工事が完了したのは初めて。6号線以外は未開通の区間があるケースや、全線開通しているものの一部区間で歩道整備や幅員拡幅が終わっていない路線がある。
 環状6号線は品川区東品川2~板橋区氷川町の全長約20キロで、通称「山手通り」と呼ばれる。1946年に幅員80メートルで都市計画決定し、50年には幅員40メートルに都市計画変更を行った。
 最後の工事区間は目黒区上目黒1~青葉台2の780メートルで、事業期間は2000~24年度。道幅の拡大に当たり、用地取得に時間がかかったことなどから長期にわたった。
 工事現場の近くには目黒川が流れている。春になると沿岸の桜を見る観光客が押し寄せたが「商店街関係者と調整し、工事に影響が出ないようにした」(建設局担当者)という。
 工事では道路幅を従来の23メートルから30~35メートルに広げるとともに、中央分離帯や停車帯、自転車通行空間を配置。人と車が安全に通行できる空間に刷新した。
 6号線以外の環状線に関しては、1、2、7、8号線は車両が全線で通行可能だが、一部区間で歩道などができていない。3、4、5の1、5の2号線は未開通箇所が残っている。
 このうち4号線では品川駅周辺エリアの大規模再開発に併せ、同駅北側で線路をまたぐ高架道路を建設中。完成すると国道1号や15号などと接続するため、交通ネットワークの強化につながる。ビジネスや観光など、多様な交流促進も期待されている。