少子高齢化で過疎化が深刻化する中、地域のにぎわいを取り戻す街づくりで建設会社が大きな役割を果たしている▼浜松市の都田建設が北欧の暮らしを核とした街づくり「ドロフィーズ」を展開中だ。地元・都田町には目立った観光資源がないながら「スロー&クリエイティブな街」をコンセプトに、1万坪のエリアに北欧のスローライフやオーガニックな生活を感じられる30以上の施設が点在する▼街づくりでは地域住民の協力を得て、使われなくなり放置された建物や田畑などを再生利用している。スクラップ&ビルドではなく、リノベーションによる温故知新のデザインが持つ魅力と街の在り方を次世代へのメッセージとして伝える▼地域の街づくりを主導する自治体の人材不足が深刻だ。中央省庁の職員が地方創生に取り組む市町村(人口10万人未満)を支援する国の制度が4月に始まる。数人で構成するチーム(任期1年)が地元の産業振興や移動の足確保といった政策立案を手助けする▼来年度予算案では地方創生交付金が倍増。石破政権の看板施策「地方創生2・0」の推進には、官民連携の体制強化も急がれる。