大阪府と大阪市は大阪市此花区にある人工島・夢洲の大阪・関西万博跡地(夢洲第2期区域約50ヘクタール)を「ゲートウエイゾーン」「グローバルエンターテインメント・レクリエーションゾーン」「IR(統合型リゾート)連携ゾーン」「大阪ヘルスケアパビリオン跡地活用ゾーン」の4ゾーンに分け、開発を進める方針を示した。今後、一般意見を募集した上で、今夏にマスタープランを策定。2025年度後半の開発事業者公募を目指す。
18日に「副首都推進本部(大阪府市)会議」(本部長=吉村洋文知事)の第15回会合を大阪市内で開き=写真、「夢洲第2期区域マスタープランVer.1・0」を提示し了承を得た。
コンセプトは「万博の理念を継承し、国際観光拠点形成を通じて『未来社会』を実現するまちづくり」。ゲートウエイゾーンでは商業・オフィス・宿泊施設を配置し、ナイトアクティビティの充実やイノベーション機能の導入を進める。グローバルエンターテインメント・レクリエーションゾーンでは国際的なモータースポーツ拠点やウオーターパーク、劇場・アリーナを整備し、非日常空間を創出。IR連携ゾーンではIR区域と連携し、MICE(国際的なイベント)施設やホテルを設ける。大阪ヘルスケアパビリオン跡地活用ゾーンでは先端医療・国際医療・ライフサイエンス関連の機能を導入する。
まちの骨格は夢洲駅前から水辺へと続くシンボルプロムナードによる「うるおい軸」と、ゾーン内を結ぶ「にぎわい軸」で構成。道路ネットワークでは既設の観光外周道路とつながる道路を整備。IR予定地の第1区域から2、3区域まで連続した回遊性の高い歩行者空間も確保する。
マスタープラン策定では2025年日本国際博覧会協会などと協議し、大屋根リングの一部活用や静けさの森の移設・再配置などを検討する。まちの管理・運営は開発事業者が主体のエリアマネジメントを想定している。
ヘルスケアパビリオン跡地活用ゾーンの開発事業者は別途先行して募集する。
会合で委員からは「開発では資材高騰の影響が考えられ、事業者が柔軟に対応できる公募条件を検討してほしい」「事業者の創意工夫を生かせるよう公募の進め方を慎重に検討すべき」といった意見が挙がった。
吉村知事は「ベイエリアの広大な敷地を生かし、夢洲でしかできない圧倒的な非日常空間を創出してほしい。50~100年先を見据え大阪の新たな拠点として成長させていく」と述べた。