大林組/ホイールローダー用の後付け自動運転装置を開発

2025年2月19日 企業・経営 [3面]

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 大林組は、ホイールローダー用の後付け自動運転装置を開発した。自動運転システムのほか、3DLiDAR(ライダー)や傾斜計などのセンサー、自動運転制御盤、レバー制御装置で構成する。ホイールローダーのメーカーや機種を選ばずに取り付けられ、経験の浅い作業員でも安全な場所から簡単に動作設定できるようになっている。実証実験を行い、燃料運搬作業の自動運転や夜間作業を実現した。
 ホイールローダーは作業場所の位置を確認し、運搬物の形状から効率良くすくい込みができる位置をセンサーで判断し、作業位置まで走行する。事前に設定した経路で運搬し、積み込みや投入作業を行う。今回開発した装置は、すくい込みや運搬、積み込み、投入などの作業設定を、遠隔で安全な場所から行える。帳票機能も備え、積み込みや投入の数量を管理できる。
 グループ会社の大林神栖バイオマス発電(茨城県神栖市、長瀬有弘社長)が運営する大林神栖バイオマス発電所(同市、発電容量51・5メガワット)で実証実験を行った。バイオマス発電の原料となるパームヤシ殻(PKS)をすくい込み、集積場所から燃料投入口まで運搬して投入する作業を繰り返し、同発電所の安定稼働に必要な135トンを約2時間30分で投入することに成功した。暗くても感知可能なセンサーを搭載することで夜間でも日中と同様に作動することも確認できた。