大成建設と光洲産業(川崎市高津区、光田興熙社長)は、建設混合廃棄物の中間処理過程で発生する建設副産物「ふるい下残さ」をソイルモルタルの母材として有効利用する技術を確立した。建設発生土の再利用によってソイルモルタルを製造する大成建設の「TAST工法」を応用。砂質土を主体とする材料の代替としてふるい下残さ100%の再生土砂を活用し、ソイルモルタルが製造できることを室内試験や試験施工で実証した。
一般的に解体工事で発生する廃棄物はがれき類のほか木材、プラスチック、ゴムなどの有機物が混在し適切に処理することが義務付けられる。中間処理過程で再生砕石や再生資材が選別、分別された後、最終的に土が主体となる粒径2ミリ程度以下のふるい下残さが生じる。微細な異物などが混入しており再生利用が難しい。大成建設によると各地にある最終処分場は残余容量が減少傾向にあり、最終処分量の低減が課題となっている。
そこで同社らは、砂質土を主体とする建設発生土にセメントと水を混ぜてソイルモルタルを製造するTAST工法に着目。代替材としてふるい下残さをセメントと混合し固化することにより、有害物質の溶出抑制と所定強度の確保を実現した。
このほど横浜市戸塚区にある同社技術センターに建設した木造人道橋の橋台周辺空隙部を充填するため、約8トンのふるい下残さをソイルモルタルの部材として初適用した。試料の7日強度はソイルモルタルの目標品質を上回り、有害物質の溶出量も土壌環境基準値に満たしていることを実証。ふるい下残さの再生利用と最終処分量低減を実現した。