回転窓/関心の高い計画の行方

2025年2月20日 行政・団体 [1面]

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 国の意見公募手続制度、いわゆるパブリックコメント制度は政令などを決める際、国民から広く意見を募る目的で制定された。公正さの確保や透明性を高めるため共通のルールで運用されている▼行政機関は提出された意見を十分に考慮しなければならない。公募対象によっては1万件以上の意見が寄せられることもある▼政府が18日に閣議決定した「第7次エネルギー基本計画」のパブコメでは、過去最多の4・1万件超の意見が集まった。エネルギー政策の中長期な指針となるもので、脱炭素化へ原子力発電と再生可能エネルギーを最大限活用することなどが盛り込まれた▼経済産業省によると、意見は原子力関連が多く、ほとんどが匿名だったという。同省は意見を受けて、原発で万一事故が起きた場合の対処などについて追記する一方、審議会などで議論が尽くされた事項は案の修正を見送った▼原発施設の建て替えや再稼働など原子力政策の方向性なども示された基本計画であり、パブコメから改めて国民のエネルギー政策への関心の大きさがうかがえる。地球環境保全のため国を挙げた脱炭素社会の実現が急がれている。