福岡県久留米市は西鉄久留米駅(東町)の周辺整備構想の案をまとめた。構想案では同駅の半径500メートルの範囲を、▽中央▽北部▽西部▽南東部-の四つのエリアに分け、それぞれに土地利用の方向性を整理した。駅前広場については自動車と歩行者の交錯解消に向け、各交通施設の規模を見直し、東西の駅前空間への再配置を検討。周辺の老朽化している建物の更新や高度利用を促進する考えも示した。
駅の立地する中央エリアは久留米の玄関口、北部エリアは多様な暮らし方、働き方を実現する職住近接の区域としての活用を想定。西部エリアはにぎわいと緑を感じられる区域、南東部は多世代交流の促進区域に設定した。
同駅の駅前ではバスセンターが手狭で降車待ちが発生する一方、タクシー乗り場は過大となっている。現バスセンター入り口は信号処理がなく、バス、自転車、歩行者の動線が交錯している。
これを受け、バス、タクシー、一般車などの寄り付き機能の強化に向け、将来の交通需要を見据えた各乗降場の再配置を検討。バスについてはツアーバスなどを含め、新たに整備するバスターミナルに集約し、快適な待合空間を確保するとした。多層構造による歩行者と自動車の動線分離に向け、ペデストリアンデッキの整備、駅舎の東西を貫く大空間のコンコース形成にも取り組む。
駅周辺の老朽化している建物については、更新や高度利用を促進するため、「再開発事業や民間活力を導入した柔軟な土地区画整理事業などの検討が必要」との考えを盛り込んだ。
構想案は1月31日に開かれた有識者でつくる「西鉄久留米駅周辺整備構想会議」(会長・趙世晨九州大学大学院教授)の第2回会合で示された。同日の会合で出た意見を基に、市は案の内容の修正作業を進めている。5月ごろにも市民への意見募集を行う予定。9月ごろの構想策定を目指す。
同駅の周辺では国も新たなバスタプロジェクトの事業展開を検討している。