NTT、鹿島ら5者は通信容量が大きく遅延も少ない「IOWN APN接続」を使い、青森県津軽地方の約30キロ離れた2カ所の病院間で手術を遠隔支援する技術を実証した。オールフォトニクスネットワーク(APN)と従来のギャランティー型回線を比較し伝送遅延性能は約4倍、最大遅延ゆらぎ性能では120倍以上となり良好な通信品質を保てることを確かめた。APNの特性上、さらに長距離でも効果を期待できる。
NTT、NTT東日本、弘前大学医学部付属病院、メディカロイド、鹿島による共同実証。鹿島は自社開発した立体音響スピーカー「OPSODIS1」の提供と技術協力を担った。
実証では五所川原市のつがる西北五広域連合つがる総合病院と、弘前市の弘前大病院を、NTT東日本のAPNで接続。つがる総合病院にいる医師が手術ロボットを遠隔操作し、弘前大病院の患者に見立てた人工臓器モデルを「手術」。安定した通信品質により、臨場感のある円滑なコミュニケーション環境を実現した。
弘前大病院の袴田健一院長は「距離を感じないほどの臨場感に驚いた。日本全体が一つの手術室のようになれば、患者さんはどこにいても質の高い医療を受けられ、若手医師も場所を選ばずに手術指導を受けられる」とコメントした。