山梨県/新道坂トンネル事業化、25年度予備設計などに着手・36年度完成めざす

2025年3月3日 工事・計画 [5面]

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 山梨県は都留市と道志村を結ぶ新たなトンネル「(仮称)新道坂トンネル」の事業化を決めた。ルート案は県道都留道志線の都留市大野の菅野地区から、国道413号道志村の板橋付近までの全長約3・8キロで、このうち約3キロがトンネル区間となる。2025年度に予備設計などに着手する。想定スケジュールは26、27年度に用地補償、28~31年度に道路改良工事と橋梁工事などを行う。トンネル工事は30~32年度を予定し、33年度からトンネル設備、道路改良などを行い36年度の完成を目指す。総事業費は約127億円を見込んでいる。
 24年度の山梨県公共事業評価委員会で同事業を評価対象に取り上げた。24年11月に同委員会が長崎幸太郎知事に提出した意見書で「事業の必要性は高く、実施が妥当」と評価した。
 計画名称は「(主)都留道志線(新道坂トンネル)」。整備内容は道路改良が延長3800メートル、幅員5・5メートル(7・5メートル)。このうちトンネル区間は延長3040メートル。現在の県道都留道志線は急カーブや急勾配区間が多く、雨量規制や積雪、凍結などの影響が課題となっている。新たなトンネルの整備によって規制区間の走行安全性の向上を図り、災害に強い道路を確保する。
 県は20年1月に関東地方整備局らと「東京~山梨・長野交通強靱化プロジェクト」を立ち上げ、JR中央線や国道20号などの強靱化や、災害時対応・代替路線の検討などを進めてきた。中でも国道413号と県道都留道志線を国道20号の代替ルートと位置付け、雨量規制の撤廃や道志バイパスの整備、新たなトンネル整備などを検討している。