国交省直轄土木工事/完全週休2日の補正係数新設、熱中症対策費も手厚く計上

2025年3月3日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は直轄土木工事で、他産業とそん色ない働き方の実現に取り組む建設業者を後押しする。週休2日の定着を踏まえ、土日休みの完全週休2日に対応した労務費や経費の補正係数を新設し2025年度から適用する。夏場の熱中症予防の徹底に必要な対策費を十分に確保可能とする措置も講じる。共通仮設費の中で率計上している「現場環境改善費」から避暑・避寒対策費を切り離し、現場環境に応じ対策費を積み上げ計上できるようにする。=2面に関連記事
 2月28日に公表した25年度の新しい積算基準に盛り込んだ。週休2日は土日休みを目指す方向と位置付けつつ、地域の実情を踏まえ多様な働き方が可能な支援策に取り組む。工期全体(通期)の週休2日は現場に定着したと判断し補正係数を設けない。24年度から取り組む「月単位」、土日休みを含む「週単位」で週休2日に取り組む受注者にインセンティブを設ける。
 完全週休2日に取り組む際は「週単位」での対応を最低限求める。土日休みが基本だが、天候や猛暑を理由に土日に作業せざるを得ない現場条件に配慮し、同一週内の平日に代替休日を設定することを前提に補正係数の適用を救済措置的に認める。現場閉所で労務費1・02倍、共通仮設費1・02倍、現場管理費1・03倍とし、交代制では労務費1・02倍、現場管理費1・03倍とする。土日休みを実施した企業を工事成績評定で加点する措置は廃止する。
 月単位の週休2日に対応した補正係数は存置するが、24年度より低く設定。現場閉所で労務費1・02倍、共通仮設費1・01倍、現場管理費1・02倍とし、交代制では労務費1・02倍、現場管理費1・02倍とする。
 新たに積み上げ計上する避暑・避寒対策費は、ミストファンやスポットクーラーなど現場の施設・設備対応を目的とする。これまでは現場環境改善費の一部と位置付けられ、率計上の枠内で費用を十分に確保できる確証がなかった。今後は現場環境改善費とは別枠で対策費を上乗せする形となる。
 対策費を計上する際は発注者が妥当性を確認し、精算時の設計変更で対応する。計上額は、率計上される現場環境改善費の50%以内という上限を設ける。経口補水液やファン付き作業服など労務管理関係の費用は現場管理費に別途計上されており、これと重複しない分を計上可能とする。