道路舗装主要11社25年新卒採用計画/総数491人、10社が充足率100%割れ

2025年3月4日 企業・経営 [3面]

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 日刊建設工業新聞が主要な道路舗装会社11社に行った人材採用アンケートによると、2025年4月入社の新卒採用総数(大卒、高卒などすべてを含む)は前年比57人減の計491人となった。うち技術職は68人減の計392人。各社とも積極的な採用活動を展開する一方で、計画総数に対する充足率は同数の大林道路を除き10社が100%を下回るなど、人材獲得は厳しさを増している。

 アンケートは2月14日に集計。新卒採用総数を社別に見るとNIPPO、大林道路、大成ロテックの3社が前年実績を上回った。
 女性の新卒採用数は71人(技術系32人)だった。各社とも女性が働きやすく定着しやすい職場づくりに注力。今後の女性採用や要職への登用について、前年から1人増加した前田道路は、施工監理を担う技術職を念頭に「積極的な働き掛けを行っていく」という。NIPPOは「30年新卒女性比率25%以上」の目標を掲げ、大成ロテックや鹿島道路なども管理職への登用拡大を視野に入れる。
 世紀東急工業は「結婚や出産におけるライフイベントを考慮したキャリアプラン(早期復旧支援など)を策定」して対応。ガイアートは引き続き「技術者確保を第一に考え特に男性社員との分け隔てはしない」方針だ。
 24年度の中途採用数(見込み)は計278人(技術系178人)。多くの社が前職で培った実務経験や専門知識を生かし、技術職を中心とする即戦力人材の確保に取り組む企業が相次ぐ。並行して「未経験でも若い技術者候補を期待している」(三井住建道路)という社もある。
 新卒採用の傾向として大手企業の選考時期がさらに早期化している。多種多様な就職サイトの普及などもあり、道路舗装各社からは「内定辞退者のつなぎとめ」(NIPPO)、「学生と接触してから入社までの期間が長くなっているため、その間のフォロー対策が課題」(日本道路)、「待遇面などの改善が学生に伝わりきっていない。伝えるまでの説明会などに至れない」(鹿島道路)といった課題が挙がった。
 人材獲得競争が激化する中、大卒総合職の初任給を前田道路、日本道路、大成ロテック、東亜道路工業の4社が「引き上げた」と表明。26年4月以降を見据えた今後の採用方針は安定的な人材確保や働き方改革などに対応するため、NIPPO、大林道路、日本道路、三井住建道路の4社が「増やす」としている。