熊本県菊陽町/新たな産業集積の拠点形成、久保田台地開発の構想策定着手

2025年3月6日 工事・計画 [9面]

文字サイズ

 熊本県菊陽町は2カ所で新たな産業集積の拠点形成を検討している。JR豊肥本線の原水駅南東側にある久保田台地では、2025年度に産業や商業施設を集積させた新たな街づくりに向けた構想を策定。5月ごろに構想策定業務の委託先選定の手続きを開始し、早ければ6月後半の契約締結を想定する。同駅北東側では約25ヘクタールの新たな工業団地の造成に向けた調査を進めており、6月ごろにも事業化を最終判断する。
 久保田台地は現在は農地となっている。開発手法は土地区画整理事業を軸に検討している。見直し作業を進めている都市計画マスタープランの改定案では、中心部に南北方向の区画道路を整備し、道路の西側に住宅や商業施設を誘致。東側を産業の集積拠点として活用する方針を示している。
 構想策定業務の中で造成面積や土地利用の方針、事業スケジュールなどを固め、構想の中に盛り込む考え。25年度当初予算案で業務委託費として1000万円を計上した。
 原水地域で検討中の新たな工業団地は半導体受託生産最大手の台湾積体電路製造(TSMC)の第1工場と県道大津植木線の南側に位置する区域を造成する。実施中の現地調査では地形の高低差などを考慮した開発区域の絞り込みは終えているという。
 大規模な造成となるため採算面を慎重に検討する必要があることから、当初は24年度末としていた事業化の最終判断の時期は6月ごろに先送りして、概算事業費の算定、事業計画の検討を引き続き実施することを決めた。
 工業団地整備可能性調査業務はオオバが担当。