国土交通省、防衛省、JR7社、鉄道事業者4団体は7日、退職自衛官の再就職を促す人材確保の取り組みを進めることを申し合わせた。自衛官の処遇・勤務環境の改善や生涯設計に関する2024年12月の関係閣僚会議が決めた方針に基づき、担い手が不足している鉄道事業で退職自衛官に活躍してもらう。国交省は防衛省と連携する業界を拡大していく。
地方運輸局、自衛隊地方協力本部など、JR各社、鉄道事業者団体の会員とで、勤務環境やキャリアパス、活躍事例などの広報を積極的に進める。業種説明会やインターンシップの機会も設ける。有事や災害時には自衛官となって活動する予備自衛官といった制度への理解を促す。地方運輸局が調整役を担い鉄道業界の仕事のやりがい、魅力を説明する一方、退職予定自衛官に対する説明を管内の鉄道事業者などに働き掛ける。
中野洋昌国交相は8日の閣議後会見で「担い手不足による減便や終電の繰り上げなども発生している。申し合わせを契機に連携を深め、鉄道事業への再就職を後押ししたい」と述べた。
23年度に退職した自衛官は約7600人で、このうち任期満了の退職は約3400人、若年定年退職者は約4200人だった。再就職支援として若年定年制自衛官、任期制自衛官それぞれに対し、試験合格に必要な能力取得を促す職業訓練、職業紹介、合同企業説明会などが行われている。
両省と申し合わせたのは、JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州、JR貨物、日本民営鉄道協会、鉄道等協議会、日本地下鉄協会、日本鋼索交通協会。