内閣府/自治体のPPP・PFI事業、分野横断・広域連携推進へ手引策定

2025年3月11日 行政・団体 [1面]

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 内閣府民間資金等活用事業推進室(PPP/PFI推進室)は10日、分野横断型・広域型のPPP/PFI事業の実施を促すための手引を発表した。複数分野や複数の公共施設などを一括して事業化する「分野横断型」と、複数の地方自治体が管理者などになった「広域型」の事業の導入検討、事業者募集・選定、事業推進のポイントなどをまとめた。事例も多く示した。
 「分野横断型・広域型のPPP/PFI事業導入の手引」を公表した。公共施設やインフラの老朽化、技術職員の減少といった公共施設やインフラの管理者が直面する課題への対応を支援し、PPP/PFI事業の裾野を拡大するのが狙い。
 社会情勢の変化から、公共サービスを従来の所管範囲を超えて提供したり、複数の分野や施設をまとめることでスケールメリットを働かせたりすることの必要性を強調している。分野横断型、広域型の事業とも、多様な民間事業者の参画が促され、事業機会の創出になることなどを効果に挙げた。
 手引は分野横断型、広域型の事業を進めるための合意形成、庁内外との調整、発注体制・方法、民間事業者の選定・審査・コミュニケーションなどを対象に、要点を分かりやすく示した。分野横断型は上水道・下水道・工業用水道一体や公立学校など、広域型は水道、廃棄物処理などの事業を例に挙げた。
 先行事例で導入のきっかけや、重視した事項なども紹介。国や都道府県が主導的な立ち位置となる「垂直連携」や、発注者の権限を特定の市区町村に集約するような「共同発注」などの事業手法と、その考え方を記載。モニタリングの体制や、民間事業者に過度な負担をかけない工夫といった留意点も示している。
 手引をまとめるに当たって調査した分野横断型・広域型の29事例で事業化に至った動機、連携方法、期待している効果、留意点などが参考となるよう掲載。事業化までの工程とポイントも整理してある。