大阪府は堺市にある府営若松台第2住宅の余剰地活用事業に関する開発事業者公募の結果、大和ハウスリアルティマネジメントを事業予定者に決定した。スーパーマーケットやベーカリーカフェ、ドラッグストアを核とする商業施設を整備し、地域の生活利便性を向上させる。今後、堺市の都市計画審議会での審議を経て、事業予定者と基本協定を締結する。その後、都市計画提案から都市計画決定を進め、2026年度以降の開業を目指す。
計画地は南区若松台2。泉北高速鉄道・栂・美木多駅から東に約1・5キロの住宅地内にある。若松台第2住宅は1970年代に整備された府営住宅団地で、建て替え事業に伴い生まれた約0・9ヘクタールの余剰地が対象となる。
周辺には府営住宅や都市再生機構の団地が広がり、泉北ニュータウンを形成しているが、近年は近隣センターの商業施設撤退が相次ぎ、特にスーパーマーケットの誘致を求める声が高まっていた。
今回の計画では定期借地によりスーパーマーケットやカフェを併設したベーカリー、ドラッグストアのほか、芝生広場やシェアサイクルポートを設置し、地域の憩いの場としても機能する施設の導入を目指す。借地期間は32年6カ月。貸付賃料は1年当たり2412万円を想定している。
審査では生活利便性向上に資する計画やバリアフリーに配慮した造成計画、事業の実現性の高さを評価した。
一方で、敷地西側からの歩行者アプローチ動線の確保や景観への配慮、緑化計画の充実など、今後の改善点も指摘した。
現行の計画地の用途「第1種中高層住居専用地域」では店舗床面積が500平方メートルに制限されており、大型商業施設の導入が困難となっている。堺市は地区計画制度を活用し、用途地域の制限を「第1種住居地域」並みの3000平方メートルまで緩和することを提案している。都市計画審議会ではこの緩和措置の必要性や地域への影響を検討する。