中野サンプラザ跡地再開発(東京都中野区)/区が見解「事業成立性が不明確」

2025年3月12日 工事・計画 [4面]

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 東京・中野区は工事費高騰などにより工事着手ができず施行予定者らと協議中の中野サンプラザ跡地再開発に関して、施行予定者が提案した事業計画見直し案では事業成立性が不明確との見解を示した。施行予定者との見直し案に関する協議は続けない方針。4月以降に今後の進め方について施行予定者や地権者と話し合う。
 1月末に施行予定者が従来の高層ビル1棟から2棟のビルへの変更などを盛り込んだ見直し計画を示したが、区議や住民から批判の声が多く挙がっていた。
 11日の建設委員会で区が公表した資料では、事業計画見直し案を承諾する場合と、しない場合の2ケースを提示した。承諾しないケースでは、新たな事業手法を使い、公平性・中立性を担保した上で事業を進める考え。新たな民間事業者の募集に関しては、「応募があるか不透明ではあるが、今後の調査・検討により柔軟に対応できる」とした。
 同日の総務委員会では、区の全額出資会社「まちづくり中野21」が保有している中野サンプラザの土地・建物を区に移転する方針も示した。予定していた転出補償金受領の見通しが立たたず、年間約3億円(固定資産税、利息、維持管理費)の支出が見込まれることなどが要因。今後第2回定例議会をめどに定款変更議案を提出し、9月に移転手続きを進めたい考え。
 2月22日に開いた「区民と区長のタウンミーティング」では参加者から「当初提案時の用途割合のまま計画してほしい」「改修費用がかかってもサンプラザを壊さずに再利用してもらいたい」などの意見が寄せられていた。