福島県/双葉地域中核病院基本計画を策定、4月以降に設計プロポ公告

2025年3月12日 工事・計画 [6面]

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 福島県病院局は、浜通り・双葉地域の医療体制で中核になる新病院の整備に向けた基本計画を策定した。東日本大震災の福島第1原発事故で休止した大野病院の解体後、跡地に延べ2万5400平方メートルの新病院を建設する。各工程で仕様や設計額が見直せ、物価の変動などにも対応が容易な設計・施工分離発注方式で整備する。4月以降に基本・実施設計業務の委託先を決める公募型プロポーザルを公告。2029年度以降をめどに、整備工程などを精査し早期の開院を目指す。
 計画地は大熊町下野上大野98の1(敷地面積2万6000平方メートル)。JR大野駅から約200メートルに位置する。新病院のコンセプトは▽地域に密着し、住民が安心して生活するための連携の核になる▽地域の発展に貢献し、医療従事者に魅力ある病院。診療科は20科、病床数は250床前後を想定する。
 大野病院は1951年に開設し、72年に現在地へ移転した。本館の施設規模はSRC造4階建て延べ1万0427平方メートル。病床150床、診療科目は9科。20年3月に敷地を含む区域の避難指示が解除され、地元を含めた周辺自治体から病院再開の期待が高まっている。