関東地方整備局が、道路下にある老朽管路や路面を素早く確実に補修するための取り組みを始める。3カ年国債を活用した「フレームワークモデル工事」を、大宮国道事務所が国道4号で実施する横断管補修と路面復旧工事に初めて試行。施工体制など長期間の見通しが可能となるため、入札不調・不落の抑制にもつながる。工事発注は4月以降を予定する。
フレームワークモデル工事は、複数工事(フレームワーク)に参加を希望する事業者を事前に「特定工事参加企業名簿」として登録。その中から複数の工事参加者を指名する。これまでは単年度の発注工事に適用していた。
見通しを鮮明な状態にするため、整備局は通常のフレームワーク工事に3カ年国債を活用したモデル工事を試行する。3年先の施工量が把握できるため、受注者は余裕を持った施工体制を組める。さらに施工箇所の近傍で突発的な事態が発生した場合、受発注者間で「パートナーシップ協定」を締結した他の企業に対応してもらう。緊急性の高い工事が着実に推進できる環境を整える。
初弾は大宮国道事務所が発注する「R7~R9国道4号強靱化フレームワークモデル工事」で行う。複数の工事を発注する考えで、3月末にパートナーシップ協定の締結先を決める。4月以降に公募型指名競争入札(総合評価方式)する予定だ。
同様の工事はこれまで一般競争入札で受注者を決めていたが、関係機関との調整が煩雑な上に工事の利益率も低く「なり手が少なかった」(企画部)という。ライフラインや道路の老朽化対策が急務となる中、整備局は「不調・不落を理由にした補修工事の遅れ回避」(同)を期待する。