静岡県磐田市は、新消防庁舎の基本設計をまとめた。迅速に出動するため幹線道路と建物、車庫の配置に配慮したほか、高層住宅や山岳救助などを想定した実践的な訓練設備を整備する。市民の防災力や防災意識を向上するため、活動を見学できる専用通路や展示スペースを設けるなど「防災アミューズメント」としての機能も持たせる。2025年度は10月までに実施設計を終えるとともに用地取得、造成準備工事に入る。当初予算案に約6億円を計上した。基本・実施設計は佐藤総合計画が担当。
新消防庁舎はRC造3階建ての庁舎棟、車庫棟、訓練棟、補助訓練棟などで構成。施設の総延べ床面積は約7200平方メートル。市消防署のほか東部分遣所、消防本部の機能が入る。建設地は大藤地区(大久保)の敷地約2・5ヘクタール。
設計方針は▽迅速な出動と実践的な訓練を実現する防災拠点▽環境親和型庁舎と健康で快適な環境の実現▽市民の防災力を育む、庁舎内外に展開する防災アミューズメント-とした。このうち防災アミューズメントは、市民が消防活動を見学できる専用通路を敷地内に整備するほか、訓練エリアや建物内の展示スペースが見学できるようにした。
25年度は、消防庁舎等整備検討部会を随時開催し意見を設計に反映、10月までに実施設計を完了させる。造成工事も進め、建築工事は27年3月に着工し28年10月に完了予定。29年4月の供用開始を目指す。総工事費は約75億円。