中部整備局ら/津駅周辺道路空間再編検討委開く、官民連携で複合施設の可能性検討

2025年3月17日 行政・団体 [10面]

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 中部地方整備局三重河川国道事務所と三重県、津市などで構成する「津駅周辺道路空間再編検討委員会」(委員長・小野寺一成三重短期大学生活科学科教授)は14日、本年度第2回会合を津市のアスト津で開いた=写真。本年度の検討状況を共有するとともに、策定作業を進めている「津駅周辺基盤整備の方向性(ビジョン)」の中間報告を提示。東口は交通ターミナルと一体となった官民連携による複合建築物の可能性を検討することが初めて示された。ビジョンはパブリックコメントを経て2025年7月末ごろの公表を目指す。
 JRや近鉄が乗り入れる津駅周辺は、施設の老朽化や駅前広場の混雑といった課題を抱えている。このため国や県市、交通事業者、経済関係者が連携し、課題解決につながる基盤整備について検討を進めている。
 本年度は、歩道空間拡張案の作成や東口広場周辺道路空間の使われ方調査を実施。国土交通省の官民連携基盤整備推進調査として、津駅周辺空間の面的・一体的利活用などについてPPP/PFI導入可能性も検討。民間事業者へのプレサウンディング(対話)調査などを行い、駅周辺空間に対する民間事業者の印象や官民連携事業の可能性を高める条件などについて確認した。
 これらを踏まえたビジョン中間報告によると、基本理念は、県都の顔となるとともに地域の活力を引き出し、災害にも強い空間とする。そのための目標として、▽交通結節機能の充実▽防災機能の確保▽にぎわい・滞留空間の創出▽東西連携の強化▽回遊性の向上-の五つを掲げた。
 整備の方向性として、東口は商業や居住、オフィス機能などを備える複合建築物の可能性検討、ペデストリアンデッキの整備、土地利用促進の起爆剤となる市街地再開発事業の促進、必要に応じた都市計画の見直しなどを盛り込んだ。西口はペデストリアンデッキの整備などを予定する。立体構造による東西自由通路の整備なども示した。
 委員からは「津駅は県庁に近接するが魅力に乏しい。交通結節点など再整備を前向きに検討してほしい」などの意見が出された。5月上旬の会合でビジョン案を示す。パブリックコメントを経て7月にビジョンとして公表する予定。