青森県/統合新病院開設準備室を4月設置、施設整備の検討本格化

2025年3月19日 工事・計画 [6面]

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 青森県は県立中央病院と青森市民病院を統合した新病院の整備・開設に向けた検討を加速させる。4月1日付の人事異動で新病院開設準備の所管を病院局から総合政策部へ移し、新たに「統合新病院開設準備室」を設置する。施設整備に関連する技術職員の拡充も検討し、全庁で取り組む体制を整える。新病院の施設基本設計を2025年度に発注予定で、準備室設立後は速やかに公募型プロポーザルを公告する考えだ。
 17日の会見で宮下宗一郎知事が発表した。病院局運営部地域医療室から知事部局に移管。高橋忠仁地域医療室長が準備室長に就く。
 年度内の策定を目指す基本計画案で、建設候補地に浜田中央公園・県営スケート場周辺エリアを選んだ。敷地は青森市屋内グランドなど計8万8500平方メートル。17日に青森市と共催で公聴会を開き、候補地周辺住民からの意見を聴取した。県は基本計画の策定後も住民との意見交換の場を設け、継続的に対話する方針を示している。
 建物は病院棟(9階建て延べ7万2600平方メートル程度)と緊急医療施設(2階建て延べ1000平方メートル程度)、院内保育所(平屋600平方メートル程度)、来院者用立体駐車場(4階建て延べ1万5600平方メートル程度、約700台)、職員用立体駐車場(6階建て延べ2万3400平方メートル程度、約950台)で構成。概算事業費は885億~966億円と試算。設計段階でスケジュールを見直し、資機材の高騰などに対応する。27年度を実施設計、28~31年度の4カ年を工事期間に充てる。
 新病院は39の診療科目を備え、病床数は757床を予定。県全体の医療水準向上に寄与する施設として、安全で良質な医療サービスの提供を目指す。