大津市は「庁舎整備基本計画」の素案をまとめた。耐震性能不足などが課題となっている現在の本館と別館に代わる新たな庁舎を整備する。新庁舎の規模は6階建て延べ約2万5000~2万7000平方メートル、事業手法は従来方式を想定。今後は2025年度中に公募型プロポーザル方式で設計者を選定し、25~28年度に基本・実施設計を行う。29年度に施工者を選定し、29~32年度ごろに工事を実施。32~33年度ごろの供用開始を目指す。概算事業費は約242億~287億円を見込む。
市は現在の市役所本館・別館(御陵町3の1)の耐震性の不足などにより、04年度から庁舎整備に向けた検討を進めてきた。23年度には皇子山総合運動公園(大津市御陵町4の1、15・1ヘクタール)の一部での新庁舎整備を前提とする方針を決定。庁舎整備の敷地は利便性や多目的グラウンドへの影響、既存の新館との連携などを考慮し、公園の国体広場からテニスコートとし、建物は京阪大津市役所前駅側に配置する。新庁舎1階にはピロティ型駐車場、1、2階には市民交流スペースを配置を配置。庁舎周辺には広場を確保し、公園との一体性を高める。新庁舎と新館を接続するデッキの設置も検討している。
事業手法は新庁舎の周辺公園なども含めた全体計画で、市民の意見を各段階で反映でき、経済状況に柔軟に対応できることなどから従来方式を予定している。設計者の選定は公募型プロポーザルを想定。
現在の庁舎は、本館(SRC造地下1階地上5階建て延べ1万5160平方メートル、1967年竣工)、別館(RC造地下1階地上3階建て延べ6250平方メートル、71年)、新館(SRC造地下1階地上7階建て延べ1万0947平方メートル、89年)、第二別館(RC造地下1階地上2階建て延べ1272平方メートル、93年)で構成。新館は新耐震基準を満たしているため今後も企業局を中心に活用する。
皇子山総合運動公園は公園南側の国有地別所合同宿舎用地を代替公園として整備することを検討。代替公園の整備に関しては、庁舎整備の進捗に合わせて検討する。
庁舎整備基本計画策定支援業務は日建設計が担当。