国交省/外国人技術者採用後押し、中堅・中小建設会社向けハンドブック作成

2025年3月24日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は建設現場に従事する技術者の確保を目指す中堅・中小企業向けに、外国人技術者の実務的な採用手順などを解説するハンドブックを作成し、4月に公表、配布を始める。技術者採用には特定技能のような制度的な枠組みがなく、各企業が持つノウハウにも差がある。未経験の中小企業であっても外国人技術者採用に踏み出せるよう、企業側の受け入れ体制の整備など採用準備の段階から取り組むべき事項を細かに指南する。先行的な受け入れ企業の好事例も参考として紹介する。
 国交省が作成したのは「外国人建設技術者の採用・定着に向けたハンドブック」。24日にオンラインで開くセミナーで内容を紹介する。インドネシアとベトナムで中堅・中小建設会社と現地学生とのマッチングを支援する「ジョブフェア」を本年度開くなど、外国人技術者の採用支援に本腰を入れている一環でハンドブックの活用を促していく。
 厚生労働省の「外国人雇用状況」の集計によると、主に技術者が対象の「技術・人文知識・国際業務(技人国)」の在留資格で建設業に従事する外国人は24年10月末時点で1万6161人。15年の1958人から急増している。優秀な人材の確保だけでなく、海外展開や新規顧客の獲得、組織の多様化、社員の意識改革につながる観点もあり、採用を求めるニーズは今後も高まるとみられる。
 ハンドブックでは技人国の資格取得を前提に、主に施工管理技術者の採用を念頭に置く。採用ステップとして▽経営課題整理▽採用計画▽準備・環境整備▽募集・選考▽雇用手続き▽活躍・定着支援-という流れで必要事項をチェックしながら進めるよう提案する。
 まずは自社の課題から採用ターゲットを定める必要性を指摘。採用ルートとして口コミや人材コンサル、インターンシップ、合同企業説明会を活用する具体例を挙げる。選考のポイントや内定後のフォロー、入社後のキャリア形成支援などで注意すべき点も解説。こうした流れに沿って先行企業が実際の取り組みを、さまざまなパターンで紹介する。