長崎県/大亀矢代トンネルが貫通し早期開通へ弾み、施工は熊谷・門田・中島JV

2025年3月24日 行事 [9面]

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 長崎県が主要地方道小浜北有馬線の改良工事の一環で計画する「大亀矢代トンネル」(雲仙市小浜町大亀~南島原市北有馬町乙、延長896メートル)の掘削工事が完了し、21日に坑内で貫通式が開かれた。施工は熊谷組・門田建設・中島建設JVが担当。関係者が出席して貫通を祝い、改良区間の早期開通を祈念した。
 式典では県の近藤和彦島原振興局長、徳永達也県議会議長、金澤秀三郎雲仙市長、松本政博南島原市長、熊谷組の岡市光司代表取締役兼執行役員副社長が貫通発破のスイッチを点火。爆破音の後、無事に貫通したことを確認すると、続けて貫通点清めの儀、通り初めの儀、樽(たる)みこしの入場、鏡開きなどが行われた。
 発注者あいさつで近藤局長は「主要な構造物であるトンネルが無事に貫通を迎えられたことは大変喜ばしい。軟質な地質や転石を多く含み、トンネル掘削はとても難儀したと思うが、豊富な経験と卓越した技術で無事に貫通していただけた」と施工者に感謝を伝えた。
 施工者を代表し岡市副社長は雲仙普賢岳の火砕流があった地層が横断しており、「掘削では湧水の発生や掘削面の崩壊といった想定以上の困難に直面したが、最新の技術を駆使しながら、無事故で貫通させることができた」と話し、「残る工事についても安全、品質、環境を第一に取り組んでいく」と意気込みを語った。
 同トンネルは幅員5・5メートルの2車線で工法はNATM(機械掘削)、内空断面積は52~56平方メートル。2023年5月末に起点側から掘削を開始し昼夜2交代で工事を進め、約20カ月かけて貫通させた。工期は26年11月30日まで。
 トンネルを含む改良区間の開通は27年春ごろを目指しており、開通すれば現道の連続する急カーブや変則交差点を通行する必要がなくなり、県央地域とのアクセス強化、通行時の安全性向上などの効果が期待される。