日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は2025年度、10カ年の新長期ビジョンの策定・公表や生産性向上、週休2日の定着などを柱に事業展開する。24日に開いた理事会で、8施策の重点方針を掲げた25年度事業計画を決定した。生産性向上と週休2日に関しては25年度が最終年度の既存計画をそれぞれ見直し、新長期ビジョンを踏まえた新たな目標を策定する。=2面に新規事業一覧
事業計画は重点方針8施策のうち、新長期ビジョンの策定・公表を新規に盛り込んだ。人口減少や外国人技能者の増加、資材の不足・価格高騰といった課題に対応するための指針を示す。7月の公表を予定している。
受発注者の対等な関係構築に向けては改正建設業法を踏まえ、民間工事での標準請負契約約款の早期改正を働き掛ける。働き方改革や生産性向上の実現では、日建連の「週休二日実現行動計画」と「生産性向上推進要綱」がいずれも25年度で計画期間が終わるため、新長期ビジョンを踏まえた新たな目標を設定する。
理事会後に会見した宮本会長は、25年度事業計画の重点方針の一つ国土強靱化の推進に触れ、「6月に策定とされている国土強靱化実施中期計画の事業規模は、現状では既存の5か年加速化対策を上回る程度としか言及されていない」と懸念を示した。「2割の物価上昇や5年後の状況などを踏まえると、(日建連が要望している)5カ年で25兆円程度という金額はおかしい規模ではない。この点を要望していきたい」と強調した。
押味至一副会長土木本部長は建設キャリアアップシステム(CCUS)の推進に言及。「今秋にも建設業退職金共済(建退共)制度とCCUSの連携がシステム改修によって促進される。技能者の処遇を改善する原点にもなる」と期待を示した。蓮輪賢治副会長建築本部長は24年度の活動を振り返り、「建設業法の改正によって受発注者が価格変動に関する協議ができるようになった。民間の建築事業領域では大きな成果だ」との実感を示した。