労務費見積もり尊重宣言、9割が実施/日建連がフォローアップ調査結果を初公表

2025年3月25日 行政・団体 [1面]

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 日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)が実施した「労務費見積もり尊重宣言」のフォローアップ調査によると、2024年度は91%の会員企業が労務費の見積もりを尊重し、前年度(77%)を上回ったことが分かった。24年3月に国土交通相らと申し合わせた技能者の5%超の賃上げについては79%が実現していると回答した。日建連は18年度に労務費見積もり尊重宣言を行い、フォローアップ調査の結果を24日に初めて発表した。
 調査は1月に行った。日建連会員企業140社のうち85社が回答した。日建連の労務費見積もり尊重宣言は、建設技能者の賃金上昇が目的。1次下請企業への見積もり依頼に当たって適切な労務費を内訳明示した見積書の提出要請を徹底し、見積もりを確認した上でそれを尊重するとしている。
 調査結果によると「原則として全ての工事において(宣言を)実施している」と回答した企業の割合は、24年度は72%、「一部の工事で実施している」は19%で合計91%となり、24年度に初めて9割を超えた。一方「実施していない」は9%だった。調査を開始した19年度からの推移を見ると、「原則全ての工事で実施している」の割合は24年度まで一貫して上昇している。
 1次下請が提出した「5%を十分に上回る上昇」の趣旨に沿う労務費を内訳明示された見積書の尊重については、「原則全ての見積書で実現している」48%、「8割以上で実現している」31%の合わせて79%が取り組んでいた。下請から協議の申し出があった場合、労務費上昇に伴う価格転嫁に対応しているかという問いには「ほとんどの場合において協議に応じている」が88%、「7割以上で応じている」が8%となった。