名鉄/名鉄名古屋駅を再整備/延べ52万平米のビル建設、事業費5400億円

2025年3月25日 工事・計画 [4面]

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 名古屋鉄道は24日、名古屋市にある名鉄名古屋駅を再整備する「名古屋駅地区再開発計画」の事業化を決定したと発表した。約5400億円を投じ、オフィスやホテル、商業施設などが入る延べ約52万平方メートルのビルを建設する。中部国際空港(愛知県常滑市)へのアクセス強化を図るとともに、リニア中央新幹線の開業効果を幅広く波及させる。2027年度に新たなビルの建設に着手する。
 工事現場は名古屋市中村区名駅1の2ほか(敷地面積3万2700平方メートル)。建物の下層部には鉄道駅が入る。建物内には十分な駐車スペースも確保する方針だ。共同事業者は▽名古屋鉄道▽名鉄都市開発▽日本生命保険▽近畿日本鉄道▽近鉄不動産。
 鉄道は線路を4線化し、「空港アクセスホーム」を設置。利用者のスムーズな移動を後押しする。駅空間にはゆとりを持たせるとともに段差を解消し、誰もが快適に使える施設にする。
 名古屋市が整備する名古屋駅駅前広場を経由し、リニアをはじめ他の交通機関にスムーズに乗り換えできる環境を創出する。乗客の安全確保のため、ホームドアの整備も推進する。ホームやコンコースは拡張し、大規模災害発生時の対応力を高める。
 今後は25年度に名鉄百貨店本店や名鉄グランドホテルなどが営業を終了し、26年度に既存建物を解体する。27年度に新築着工後、33年度に1期本工事を竣工し、オフィスや一部商業施設、ホテル、バスターミナルを開業する。40年代前半に2期本工事を竣工し、商業施設が全面開業。鉄道施設も全てのリニューアルが完了する。