CCUS登録データ、共同利用解禁/連携する民間システムで

2025年3月26日 行政・団体 [1面]

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 建設キャリアアップシステム(CCUS)に登録された技能者や事業者のデータを、API連携する民間システムで共通して使えるようにする「共同利用」の基本方針が固まった。共同利用を認めるデータの範囲や運用方法を関係者間で合意した。労務・安全管理に用いるシステムが現場ごとに異なる場合も、CCUSに蓄積されたデータを直接反映できるようになり現場管理の効率化が期待できる。各システム事業者と2025年度当初から共同利用の契約を順次締結し、サービスを開始する予定だ。
 API連携の認定を受ける民間システムは「グリーンサイト」や「Buildee(ビルディー)」など現時点で17システム。各システムの入退場管理のデータがCCUSの就業履歴の蓄積に活用されている。
 民間システム側で作成した労務・安全書類のデータをCCUSに反映することも可能。ただCCUS側からのデータ提供は技能者IDに限られる。現場ごとに別の民間システムを利用する場合はデータ登録の二度手間が発生し、その解消を求める声がユーザーの建設会社から上がっていた。
 共同利用の基本方針は官民で構成するCCUS運営協議会運営委員会で合意した。CCUSから提供するデータは「技能者基本情報」のうち元請・上位下請がCCUS画面で閲覧可能な28項目に加え、民間システム事業者へのヒアリングを踏まえ運営委で決めた6項目=表参照。「事業者情報」は元請・上位下請が閲覧可能な24項目を対象とする。現場での社会保険の加入確認や建設業退職金共済(建退共)制度の運用などにも活用でき、元請などの適切な現場管理につながる。
 ユーザーが民間システムを介しCCUSに登録された自社雇用の技能者などのデータ提供を依頼し、そのデータをCCUS側から民間システムに提供する流れを基本とする。各システム事業者とはAPI連携の既存の契約に加え、共同利用の契約を別途締結する。
 技能者本人の同意を前提にCCUSのデータを関係団体に提供する仕組みも構築する。まずは建設業労働災害防止協会(建災防)の「ずい道等建設労働者健康情報管理システム」に提供する方向で準備している。