広島駅の新しい駅ビル「minamoa」(ミナモア)が24日に開業した。同駅の建て替えは60年ぶり。旧駅ビルの解体から約5年間かけて装いを一新した▼JR西日本の駅では大阪、京都両駅に次ぐ規模。中四国初出店のブランドを多く含む217店が入る。初日は開店前から約400人の長蛇の列ができオープンを1時間早めたという▼コンセプトは「品格とシンボル性」「平和」「川と海」。新たなシンボルとして新駅ビルの前面に設ける予定の大屋根を支える2基の巨大な柱は、平和を願う折り鶴の形をイメージする▼西日本を代表する巨大ターミナル駅だけに、新築工事は鉄道を止めず駅ビルの南北通路を順次切り替えながら、乗客らが行き交うすぐそばで進められてきた。駅の2階部分に広島電鉄の路面電車を乗り入れるようにするための工事も大詰めを迎えており、今夏の開通を予定している▼戦後80周年を迎える今年は、例年以上に多くの人が原爆ドームや平和記念公園を訪れるだろう。国際平和文化都市・広島にふさわしい世界に誇れる新たな玄関口として、にぎわいや交流、感動を生み出すことが期待される。