日建連/下請取引適正化の自主行動計画改定、発注者への全額転嫁を前提

2025年3月26日 行政・団体 [1面]

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 日本建設業連合会(日建連、宮本洋一会長)は下請取引適正化の自主行動計画を改定した。原材料費などの高騰が生じた際の価格転嫁に当たり、発注者への全額転嫁を前提にすると規定。下請代金に充てる約束手形の支払いサイト(期間)は「60日以内とするよう努める」から「60日以内とする」に表現を改めた。
 日建連の井上和幸総合企画委員長が24日、国土交通省の平田研不動産・建設経済局長を訪ね、改定した同計画と会長名の要望書を提出した。要望書には元請企業に対し、民間発注者が竣工まで代金を一切支払わない事例があると明記し、制度改正も含めて民間発注者からの早期支払いが実現するよう訴えた。
 主な改正点は4点。「合理的な請負代金と工期の決定」に関する実施事項では、適切なコスト増加分の全額転嫁に当たり、その出発点は発注者であると強調。発注者への全額転嫁を前提に、元下請を問わずサプライチェーン(供給網)全体で取り組むとした。下請から労務費の転嫁の求めがなくても、協力会社組織などを通じて呼び掛け、定期的に協議することを追記した。
 内閣官房と公正取引委員会が策定した「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」も反映し、「指針に掲げられた行動を適切にとる」と盛り込んだ。手形等のサイトの徹底では、60日以内を努力義務としていた表現を「60日以内とする」に直した。
 このほか「労務費見積もり尊重宣言」に基づく下請との適正取引の実施や、「適正工期確保宣言」に基づく発注者との適正取引の取り組み、改正建設業法を踏まえ「恐れ(リスク)情報」などが顕在化した場合の変更協議などを加えた。