全国建設業協会(全建)の今井雅則会長は25日、東京・永田町の自民党本部で「労働市場改革」をテーマに建設業の人手不足や働き方改革について講演した。新しい資本主義実行本部(本部長・岸田文雄前首相)主催の会合に招かれた。今井会長は猛暑日に1日当たりの労働時間を十分確保できなかったり、積雪寒冷地で作業が不可能な日があったりする建設現場の実態を示し、柔軟な働き方の実現に理解を求めた。
今井会長は建設業が抱える深刻な問題として担い手不足を挙げ、「古い3Kである『きつい、汚い、危険』のイメージが担い手の確保を阻んでおり、イメージの打破が必要だ」と指摘。新4K(給与、休暇、希望、かっこいい)の実現に向け働き方改革や安定した収入の確保が必要と訴えた。
働き方改革の具体的な取り組みでは、週休2日と時間外労働年間360時間以内を目指す「2+360(ツープラスサンロクマル)運動」や「目指せ!建設現場土日一斉閉所運動」などを紹介した。
時間外労働の上限規制に伴う課題にも言及した。夏季に熱中症リスクを避けて涼しい時間帯だけ作業する場合、規制の範囲内で働こうとすると1日当たりの労働時間が減り、結果として工期の遅れやコストの増大につながると指摘。「仕事ができない時はしっかり休み、仕事ができる時に頑張って働く。それが可能な柔軟な規制を期待する」と呼び掛けた。