東京都は虐待や置き去りなどの理由により子どもを一時的に預かる「一時保護所」に関して、入所定員数をオーバーして受け入れている状況が続いていることから、新たな一時保護所の整備を加速する。2026年度に大田区と立川市、28年度に練馬区、29年度に町田市で一時保護所を開設する。施設数を増やす一方、既存の児童養護施設や民間一時保護施設なども活用し、保護ニーズに対応する。
26年度は「大田児童相談所(仮称)」と「立川一時保護所」を開設する。大田児童相談所は児童相談所と一時保護所を同時に開設する。29年度に町田市で開設する予定の「町田児童相談所(仮称)一時保護所付設」は、町田市教育センター(木曽東3)の敷地に造る。
このほか福生市の都有地で一時保護所を含めた「西多摩児童相談所(仮称)」を建設し、31年度に運営を始める。30~36年度に八王子市と目黒区で一時保護所を開設する。
3月時点で都内の一時保護施設は官民合わせて11カ所(都8カ所、民間3カ所)展開している。都によると、25年度の都区の一時保護所の入所定員は441人。これに対し、需要推計総数は534人で93人が入所できない見込みだ。28年には121人分が不足するが、一時保護所の新設などにより、同年以降は不足分が減少する見通しだ。
都は一時保護所の拡充策などを盛り込んだ「東京都社会的養育推進計画(案)」(25~29年度)を年度内に正式決定する。ハード対策に加え、国の基準を上回る職員配置で児童を手厚くケアするなど、ソフト面での対策も強化する。