三重県/4月から土木工事に土日完全週休2日導入、総合評価方式の一括審査運用緩和

2025年3月28日 行政・団体 [8面]

文字サイズ

 三重県は2025年度、建設企業の安定経営に向けた取り組みを推進する。受注機会の拡大や技術者不足への対応として、4月から総合評価方式の一括審査の運用を緩和する。土日完全週休2日の導入など働き方改革も推進し、「三重県建設産業活性化プラン2024」の実現を図る。
 総合評価方式の一括審査の配置予定技術者は従来、1社につき1人のみの申請としていた。複数人の申請を可能とすることで、1人が辞退となっても残りの技術者で入札を継続することができるようになる。企業の柔軟・戦略的な受注を後押しし、利潤確保につなげる。
 働き方改革にも注力する。24年度完成工事のうち、月単位の週休2日達成率は63%、土日完全週休2日達成率は47%となっている。25年度は月単位から土日完全週休2日に移行する。4月以降発注する港湾を含む全ての土木工事が対象。これまでは、日曜日とあらかじめ決めた月2回の土曜(第2、4週または第1、3週など)に現場を閉所した場合、工事成績評定に加点していた。土日完全週休2日制では、原則全ての土日を閉所した場合に加点する。
 現場閉所ではなく、技術者らの休日日数で週休2日を評価する「週休2日交替制工事」にも新たに取り組む。連続施工が求められる工事や完成時期などの制約がある工事を対象に、4月から適用する。週休2日に消極的な市町への働き掛けにも注力し、業界全体での普及に尽力する。
 県の建設産業活性化プラン2024の計画期間は24~27年度。企業の安定経営を基盤に、担い手確保や労働環境の改善、生産性の向上を目指している。25年度は入札契約制度の改善のほか、紙や押印に代わる電子契約の導入、建設キャリアアップシステム(CCUS)モデル工事の拡大、バックオフィス導入支援に向けたセミナーの拡充などを予定している。