奈良県/平城宮跡歴史公園在り方、飲食・物販施設など誘致

2025年3月28日 工事・計画 [10面]

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 奈良県は平城宮跡歴史公園(奈良市)の県営公園区域の在り方をまとめ、県観光戦略本部の平城宮跡周辺エリア部会(委員長・内藤廣東京大名誉教授)で了承された。「食」と「クリエーティブな活動」をコンセプトに、飲食・物販施設や集客施設、宿泊施設などを誘致するほか、駐車場の整備や公共交通サービスの充実に取り組む。短期から長期に分けて整備を進め、飲食施設や宿泊施設などは2031年度にも完成する見通しだ。
 平城宮跡歴史公園は国が整備を進める国営公園区域(約122ヘクタール)と県営公園区域(約15ヘクタール)で構成し、国営公園では建物の復元や遺構の保存整備が行われている。県営公園では展示館や観光案内所、交通ターミナル、物販施設などを整備している。
 同部会では県営公園区域のうち、朱雀大路の西側地区(約3・1ヘクタール)と東側地区(約0・9ヘクタール)、南側地区(約5ヘクタール)を対象に既存施設の活用や民間活力の導入を含めて公園の整備方針を検討した。第5回会合は21日に開かれた。
 平城京は「シルクロードを通じて世界のさまざまな文化が伝えられ、日本の食文化のルーツが築かれた」ことや「奈良でみそなどの発酵食品が生まれ、その技術が全国各地に広がった」などとして「食のハブ拠点」の創出を目指す。
 レストランやカフェなどの飲食・物販施設、宿泊施設は中期的な取り組みに位置付け、民間事業者を選定した上で、28~31年度に整備する予定。短期的な取り組みでは食に関するイベントの開催や次世代型モビリティを試行。中長期的な取り組みでは平城京の広がりを感じられる景観づくりや遊歩道、自転車道などを整備する。