国交省/公共建築工事標準仕様書を改定、工期変更の受発注者協議促進

2025年3月28日 行政・団体 [1面]

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 国土交通省は、国の一般的な事務庁舎への適用を想定した「公共建築工事標準仕様書」を改定した。働き方改革や生産性向上に配慮した規定を拡充。受注者の責任ではない理由で全体工期に影響を及ぼす場合に監督職員へ報告する規定を追加し、工期変更の円滑な受発注者間の協議につなげる。国交省直轄営繕工事で適用を広げてきた情報共有システム(ASP)による書面の提出や、遠隔臨場の実施も新たに明記し、標準的な対応と位置付ける。
 3年周期の改定で「令和7年版」を制定した。新築・増築と改修それぞれで▽建築工事編▽電気設備工事編▽機械設備工事編-の計6編を用意。木造工事の標準仕様書も改定した。いずれも関係省庁と全国営繕主管課長会議に参画する都道府県・政令市に周知した。
 工期に影響を及ぼす事象の報告規定は、改正建設業法・公共工事入札契約適正化法(入契法)による「恐れ(リスク)情報」に基づく変更協議対応の義務化を念頭に盛り込んだ。改正法の義務事項に入札契約段階で対応しつつ、加えて工期途中などに生じる事象にも変更協議を適切に行う。
 実施工程表で「総合設備試運転調整」に要する工程を明記することも追加。以前から「概成工期」の記載を求めていたが、後工程になる設備工事の作業期間を確保するため設備機器の試運転期間を考慮するよう明確化する狙いがある。
 木造工事では「都市(まち)の木造化推進法」を踏まえ、混構造に対応した形に標準仕様書を見直した。