築地地区まちづくり(東京都中央区)/複数のデッキ整備を検討、区が検討状況公表

2025年3月31日 行政・団体 [4面]

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 東京・中央区は三井不動産らが進める築地地区まちづくり事業に関し、最新の検討状況を公表した。歩行者ネットワークの強化に向け、事業者は新大橋通り沿いで複数のデッキ整備を検討。加えて環状2号線をまたぐデッキの整備も必須と捉える。実現には広域的な都市計画との調整が必要で、事業者は関係機関と協議中。このほか計画地内は完全な歩車分離の構造とし、駐車場は敷地西側に設ける「ライフサイエンス・商業複合棟」の低層部などに集約する考えだ。
 検討状況は18日に区内で開催したまちづくり協議会に示した。
 区は計画地と銀座・新橋エリアを結ぶ重層的な歩行者ネットワークの整備を要望していた。事業者はこれに応え、説明資料に「安全安心の歩行者動線確保の観点から、新大橋通り沿いに複数のデッキ整備を検討」と明記した。
 計画地周辺では首都高速道路築地川区間や、東京高速道路(KK線)の歩行者空間化が進展。事業者もこうしたネットワークとの連携が重要と捉えており、説明資料にも相関関係を図示した。
 計画地は環状2号線を境に南北に分かれる。事業者は同線をまたぐ歩行者デッキを2カ所に整備し、明確な歩車分離とバリアフリーを実現するとした。
 計画地内は地上レベルを車道とし、2階レベルのデッキを歩行者空間に充てる。地上レベルには大規模集客・交流施設を囲むように環状道路を設ける。駐車場と駐輪場は朝日新聞社に面した「ライフサイエンス・商業複合棟」と、区域の最も東にある「オフィス棟」に集約する考え。新大橋通りや晴海通りに接していることが理由で、築地場外市場など計画地以外を訪れる人の利用も見込む。