凜/日本下水道事業団事業統括部計画課・田中喬子さん、苦労した経験が実を結ぶ

2025年3月31日 人事・動静 [14面]

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 小学生の頃、理科の授業が楽しくて身の回りの環境に興味を持った。大学や大学院では環境学などを専攻し大気環境を研究。「自分の生活と密接につながる水に関する仕事をしたい」との思いで日本下水道事業団を就職先に選んだ。入社後6年間は大学院までに学んだ経験を生かし技術職として下水処理技術の開発・調査、海外展開支援に携わった。
 7年目でプロジェクトマネジメント室に配属。地方自治体の下水道施設の設計や工事などプロジェクト全体の管理を任されることに。入社以来携わってきた業務から全く異なる未経験分野への異動は苦労が多かった。
 土木、建築、機械、電気、各職種の技術的内容はもちろん発注のルールや契約の手続きなど知らないことが多い中、自治体職員と予算や工事内容を調整し工事の発注から完成まで各担当者を取りまとめなければならなかった。分からないことは担当の技術者に積極的に質問し、仕事をしながら学び続けた。自治体職員と同じ目線でプロジェクトを進めることで本来弱みだった経験不足を強みに変えた。
 現在はこれらの経験を生かしプロジェクトマネジャーが業務を行う際、参考にする内部マニュアルの作成に従事。「今まで苦労した経験が確実に役立っている」と感じている。1歳の双子の子育てにも奮闘中。「趣味のホルンとスキーはお休み中だがまたいつか楽しみたい」と笑顔で話す。
 (たなか・きょうこ)